グランドオーダーが戦う時の聖杯組と同じものを使うのが良かったです。報われなかった旅でそれでも得たものを得難いものだったと思うグランドオーダーそのものみたいな戦い方だなと思ったので。
53ページの勝ってくれとは言えない。けれど負けないでくれと祈る部分が今回の話の中で一番好きです。
勝たなければいけなかったし、負ければ失うだけのため、勝つことに邁進するしかなかったし、負かす相手が極少数だった一部の人理修復と違って、グランドオーダーや異聞帯との戦いはやはり勝つしかない戦いであっても勝者と敗者の背後には数え切れないほどの数の普通の人間がいて、勝った方はそういった普通の人間を殺したということでもある。
それはとても辛いことであるけれど、それでも生き残った側であるならば、自分たちを滅ぼしたのであれば、折れないでくれという、自分に勝った方に最後まで立ち続けてくれ、せめて最後の勝者に負けた。強い相手に負けたのだから仕方ないと思わせてくれという敗者側のエゴのような祈りが感じ取れて良かったです。
新刊面白かったです。
ありがとうございました。