こんにちは。『塵翳』『そうして貴方が灰燼になるまで』2冊を会場で購入しまして、読ませていただきました。

項羽と虞美人の在り方と関係がとても素敵でした。虞美人の行く末を知ってしまっても案じることしかできず無力を痛感する項羽の気持ちが、計り知れないほどに苦しく、愛しく感じました。「虞や虞や汝を如何せん」という言葉の重みが胸に刺さり、そのやりきれなさに思いを馳せる他ありませんでした。

新刊の弔いのシーンが本当に好きです。
決して消えることのない、2000年積み重なった項羽の罪の形が、今美しく舞っている。その弔いは現象でありながら、確かに優しさが存在する。……そこに在るものがきっと「虞美人」なんだろうな、と、思いました。
それから、描写がとても美しくて、読んでいるこちらもただ美しさを眺めていて、その光景に惹き込まれる……そんな気持ちでした。

長々と失礼しました。素敵な作品に出会えてよかったです。ありがとうございました。

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過酸化水素ストリキニーネ
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