「すみません、探してるものがあるんですけど」

商品を棚に補充している最中に客に声をかけられた

「ああはい、何をお探しでしょうか？」

「Gooモンスター転生TSモノなんですけど……この店ならあると聞いたんですが」

「えーと、Gooモンスター転生TSモノですとこちらの棚にありますね」
そういって通路を挟んで2つ隣の棚で並んでいるGooモンスター転生TSモノへ案内する
「ちなみにGooモンスター転生TSモノと言っても細かく分かれているのですが、どのようなものがご入用でしょうか？」

「そうですねぇ……そこそこ鍛えられた生きの良い新参の、少年から青年になりかけの冒険者、それが慢心で普通だと勝てる粘液生命に丸呑みにされて脱出出来なくなっちゃって」
「次に気がつくと薄膜の向こうに外が見え、慌てて突き破って出たら、飲み込まれた時に持っていた竜の素材と粘液が混ざったような多腕生命、それも雌型になってることに気がついて呆然とするようなやつなんですけど、まだ残っていますか？」

客が話す内容を聞きながら、そのシチュにあった商品在庫を確認する
これは実験の結果、変化させられたものだから違う
こっちはバイオハザードが発生して大規模TFものだから違う
「うーん、少し待ってもらえますか、管理在庫の方も当たりますので」

そう伝えると申し訳なさそうにしながらも待っていてくれる客を横目に棚下の引き出しを開け、在庫を確認していく
ファンタジー変化ものが詰まった引き出しを整理しながらさらに探す

魔法薬での変化や罠による強制変化などの在庫を掻き分けながら目的のものを探す
「おっこれかな……？」

目的のものらしき商品を手に、客の方に振り返る
「すみません、こちらで間違いがないかご確認をお願いします」

そういって取り出したパッケージを手渡す

「ああ！これです！しかもTF後に開き直って多腕や粘液体質を活かして過ごすおまけつき！これを探していたんです！」

嬉しそうにパッケージを何度も裏返して表紙と裏面を眺める客

「ではお会計でしたらレジはあちらですので、お願いします」

一礼して補充に戻ろうとすると、客は嬉しそうな顔と足取りでレジへ向かっていく
こんな風に客と商品との出会いを取り持てる、そういう瞬間がこの仕事をしていて何より嬉しい瞬間なのだとこぼすような笑みを浮かべ、再び品出しに戻る
「や