お題
ありさん

こんばんは。以前のシチュコンテストに三つ編みを希望させていただいた者です。
三つ編みシャーウィリありがとうございます。眼福でした。自分の髪にすら嫉妬するシャロ君に上機嫌なリアムさん、大変よきです。
あまりに素敵だったので、お題箱の文字数合わせで短めですが、台詞改変なしで文章をつけてみました。
本来のイメージとそぐわなかったり、苦手でしたら、そっと閉じていただけましたらと思います。

◆◇◆◇

じっくりと触れてみて気づいたのは、見た目以上に滑らかな質感であるということ。
「なあリアム」
緩やかに波打つそれに指を滑らせ、整え、一筋ずつ分けて丁寧に編めば、きゅっとひと所に収まってくれる。
「俺そろそろ自分の髪に嫉妬しそうなんだけど、まだ終わんねーの?」
半年以上離れていた男の髪は、その月日の分だけ長さを増していた。自分が知らない彼がそこにあった。
「おや…前に僕が読んでいた本に妬いていたことがあったけど、今回は髪が相手かい?」
触れてみたいと思った。けれど、成人男性の髪なんて普段の生活では触れる機会がない。それこそ夜くらいしか。口実として持ち出したのが、編んでみたいという提案だった。
「あの時と違って今の僕は君しか見てないよ? 君の髪を一度編んでみたかったから楽しいし」
口実でしかなかったのに、実際に編み始めると癖になりそうだった。明るい室内でじっくりと眺めても、黒髪は何処までも黒くてきれいだと思う。最初は上手く編めずに何度か解けてしまったけれど、徐々に馴染んできてくれて、鼻歌の一つでも歌いたくなる。
「その楽しそうなリアムが見えねえ分、むしろあの時より状況が悪いんだって」
しかしながら、編まれている彼はお気に召さないようだ。のすっと頭が押しつけられる。その割に首を振って解いてしまうような無粋な真似をしない優しさも感じる。
「俺はリアムが見えないとつまんねえ」
青い瞳は不満げ。
でもね、シャーリー。
「ああ成程…そういうことなら確かに君を放置してしまっていたね。退屈させてごめん」
解かれなかった三つ編みの先、普段よりもずっと小さな尻尾に唇を添える。わざとリップ音を立てて。
「機嫌直してよシャーリー」
「…あっ、てめっリアム! こういう時は口にだろ!」
「フフ…この体勢じゃさすがに難しいよ」
君だって読書の邪魔をしてくれたのだから、今日くらいはいいだろう?
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あり
@ari_ymr
最高のノベライズ頂いてしまった…!?
めちゃくちゃ嬉しい~!!!!!!ありがとうございます!

私は小学生の頃活字中毒だったこともあって文章を書ける人への憧れがとても強いんですが自分自身にはその才能がなく、一応絵は描けたので萌えの吐き出しは漫画とか絵でやっている経緯があります。
なので改めて実感しているんですが小説は本当に良い…。
台詞の羅列だけだった漫画が文章になったことで

①久々の再会を果たしたSWであること
②みつあみを始めた動機とみつあみの細かな描写
③以前に読書を阻まれた意趣返し

という情報の厚みが加算されました。三つ編み師匠は短めの文章とおっしゃられていますが、その短い中でも情報を圧縮できるのが小説のすごい所だと思うんですよね。ハァ…好き…。
そして私が自分の味付けのみで情報を盛ろうとすると、多分この文章とはまたちょっと雰囲気変わるんじゃないかなと思える所も良いです。
三つ編みのお題を頂いて私が味付けした漫画から、三つ編み師匠がこの解釈を足してくれたことで発生したルート分岐なわけですよ。たまらん。
同じテーマからでもこうやっていろんな味のSWが生まれていくんだな…。
勝手ながら本当に素敵なリレーをできた気分です。
ありがとうございました!

そして「その月日の分だけ長さを増していた」の文章に爆萌えしてしまったのでさっきアップした漫画が生まれました。
3連休SWにまみれて終わりました…ありがとうありがとう…!

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あり
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