「息子にウケないナムジャドルの限界」の話、個人的には逆に感じていました。
容姿にときめく→関心と好感度が高まる→パフォーマンスにハマる…というルートはアイドルを好きになる過程の王道のひとつかと思います。
しかし同性愛嫌悪が強く出やすい男性ドルと男性ファンの関係性ではこのルートは鬼門で、まず「容姿に好感を抱き興味が湧く」というパターンが多くないでしょうしいいなと思ったとしても多くの男性はそれを認めるために「容姿に惚れたわけじゃない」「〜だから彼らの実力は”本物”だ」のような言い訳を必要としている気がします。
先の「エスパ好きなのにナムドルには厳しい男子」はまさにそれで、男子にとって対象が女性の時と比較して男性の場合は好きになるハードルがかなり高く設定されているはず。
その上で私が「逆」と感じていたというのは、上記のような同性愛嫌悪はKPOPの男性アイドルと男性ファンの間だけにある問題ではなく男と男の間には常にある問題である中で、韓国アイドルの楽曲の面白さやダンススキルの高さという要素はその同性愛嫌悪を破って「好き!」と言わせる力があるなと思うことが多々あるなと。
特にダンスは「自分もやっているからその凄さがわかる」という感想を聞くことが多く、そのような同じダンサー目線、一目置くという心理が同性愛嫌悪を上手く回避し男性が「もっと知りたい」「カッコいい」と思う気持ちに素直になるのに一役買っていると思います。
つまり「男性アイドルが男子に刺さらない」問題は「男子は男性アイドルに不必要な心的ハードルを抱えている」問題であり、それに対し韓国男性アイドルの多くはそのハードルを壊す要素(…技術への尊敬やダンス経験者としての仲間意識という男と男の間で尊いとされるものなら同性愛嫌悪をかわし男が男に認めにくい感情でも肯定できる)を備えているためかなり善戦していると言えるのでは?と感じています。
ダンプラ動画での練習着やスニーカーなども男子から一目置かれるに相応しいものがチョイスされていたりしますし、そういうアイドルと何らかの共通項を持っている男子なら比較的ハードルは壊しやすいのかなと思います。
逆にそういったものがなければずっと「男が男を好きになるなんて」に囚われ続けることになるのかも。
しかしそれはアイドル側の問題ではなく男の問題であり、その価値観を醸成したこの社会の問題ですよね。
「逆」というより、言い方のスタンスの違いのように感じます。

ご質問の方は「韓国アイドルの楽曲の面白さやダンススキルの高さという要素はその同性愛嫌悪を破って「好き!」と言わせる力があるなと思うことが多々ある」はずなのに、実際の身近なKPOP好きの若い男性ですら良さがわかって貰えてない事に対してのご相談というか、なんでだろうとなってたと思います。だからすでにその事は改めて言うことでもなく。
実際、日本の男性アイドルの現場の方が韓国の現場より男性ファンが多いことはありますし、すくなくとも韓国ではスキルや曲のクオリティ(?)と関係なく「そういう偏見」を破れてないケースは多いですね。基本的な原因に男性側のアイドルと同性・異性へのスタンスの違いがあることは前の回答でも書いているつもりですし、男性アイドルが男性の側に刺さる刺さらないの問題の根本は男性のスタンスや男性が置かれている背景に問題があるというのは同感ですが、「刺さらないのは本人のなかのホモソや同性愛嫌悪のせいだ」とまで断言するのは、そういうことは勿論含まれているでしょうが、いささか傲慢すぎる言い方のように思ったので、私は「女性に刺さるものがヘテロ男性に刺さるとは限らない」「女性の方が同性の芸能人のファンであることが多い(ファンであることライトに表明しやすい傾向)」という風に書きました。
「ダンプラ動画での練習着やスニーカーなども男子から一目置かれるに相応しいものがチョイスされていたりしますし」とありますが、韓国の場合それなら男性ラッパーの方がロールモデルとしているので、別に芸能人や有名人の中で特にアイドルじゃなくてもいいんですよね。10年くらい前の方が、まだ男性アイドルが男性に対するリアルなファッションやスタイル面でのロールモデルになってる部分は大きかっただろうと思います。だから特に今においてはそういうことが好きになる要素とも限らないんじゃないかと思います。「容姿にときめく→関心と好感度が高まる→パフォーマンスにハマる…というルートはアイドルを好きになる過程の王道のひとつ」なのは確かなんですが、私個人が全くこのタイプではないので、このルートを中心に据えた考え方がまずマジョリティではあるだろうけど、単純すぎない?と思ってしまうのかもしれないです。
「かっこよさ」や「好き」にも色々なかっこいいがあり、容姿がかっこいいももちろんありますが、アイドルグループの中での人気の度合いを見ると必ずしも「顔がいい」「容姿が好き」は第一優先順位ではないようにも感じます。(顔がいい自体が主観オブ主観というのもありますが)
それほどアイドルへの好意は様々な形がありますし、容姿はさておきパフォーマンスや楽曲が男性に人気で音源が強い(リスナー比で男女半々に近い)男性アイドルも、前にも書いてますが皆無ではないんですよね。だから単純に曲やパフォーマンスの好みの違いの傾向というのもないとは言えないと思います。

一方で、まず特に今の韓国の男性アイドルって、ファンへのムーブとしてルックスの良さや甘い対応とか、夢物語みたいなロマンス売りも皆無というわけではないじゃないですか。勿論ヨジャドルもありますが、ナムジャドルの方が結構あからさまだったり多いように感じますし、そういう部分には最初から「ヘテロセクシュアルな若い異性以外の層」を排除しているムーブが全くないとは言えないので、男性アイドルが男性にウケにくい原因が嫌悪やホモソ「だけ」にあるとは一概に言えないんじゃないかと思います。この「売り方の違い」自体にも男女が置かれている社会的な目線や立場が関係していると思いますが、それをアイドル(事務所)の側も内面化して体現してないとは言えないのではないでしょうか。


要は「女性に比べて男性の方が同性のアイドルを受け入れづらいこと」について投稿者の方は「アイドル側でなく受け入れられない男性ファン/リスナーの側に問題がある」とだけ言いたいように見受けられますが、こちら個人の意見としては「男性ファン/リスナーの側の女性とは異なるスタンスにも原因はあるが、男性アイドル側の活動スタンスに全く理由がないとも言えず(曲やパフォーマンスが実際に男女の別なく愛好されている男性アイドルが皆無なわけではないので)ということです。そもそも「一般ウケ」自体が「ジェンダー」だけの話ではないですね。

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