ウォーターマーク（透かし）とは画像全体に薄く半透明で表示される文字やロゴなどを指します。有料写真サイトなどで「SAMPLE」「©著作権者名」などが画像全体にかかる形で配置されているものが典型例です。このような透かしは画像の無断使用を防ぐために意図的に目立たせて表示されます。
一方で、二次創作のイラストにおいては絵の端に「無断転載禁止」や「Do not repost」などと書かれたスタンプを配置するケースがありますが、これは透かしとは異なります。端のスタンプはあくまで注意喚起であり、画像全体に重なるウォーターマークとは区別されます。
ここまでを前提に、今回議題となっている「二次創作への透かし」とは後者のスタンプではなく画像全体にかかるウォーターマークのことを指していると考えてよろしいでしょうか。

二次創作にウォーターマークを入れる場合は注意が必要です。前述の通りウォーターマークは本来「著作権者が存在する」という意思表示です。そのため二次創作に全面的な透かしを入れると第三者からはキャラクターの著作権まで自分（二次創作者）にあると誤解される恐れがあります。二次創作は原作キャラクターの権利を借りている立場であり、たとえ自分が描いた絵であってもキャラクターの著作権は原作者に帰属します。
無断転載防止やAI学習への対策は重要ですが、二次創作である以上は「著作権は自分にない」という前提を忘れず、表記や姿勢には細心の注意が求められます。対策を講じる際は画像の端に「転載禁止」「AI学習拒否」といった注意喚起を明記するに留めることでキャラクターの権利まで主張していると誤解されるリスクを避けられるかと思います。