「パパ！」

そう呼ばれつつ手を引かれたため振り返ると自分にどこか似ている少女（見た目は星にそっくりで髪色や顔の特徴が少し異なる）が居た。

「パパ？パパってどういう…「私は20年後の未来から来たの！」

少女が発した「パパ」に着いて聞こうとして言葉を被せられる。相当急いでいるのかあまり話を聞かない子なのか。
少女はそのまま話を続ける。

「平行世界って知ってる？色んな世界に分岐して並行して存在する世界のことなんだけど、この世界線でパパが誰をお嫁さんにするかで色々分岐して存在してるの。私もその並行する世界で生まれた1人。」

少女は急にSFな話をし始めた。平行世界の話は聞いたことがあるがあまり信じてはいなかった。それに誰をお嫁さんにするかで分岐するって？そんなに候補が居るのか？
少女の話を頭で整理できず困惑していると少女は更に話を続ける。

「で、なんで過去まで来たかなんだけど、ママと結婚して欲しいの。色んな並行世界があるけどこの世界線で確定した未来以外はみんな消えちゃうんだ。だから別の世界線から来たパパの子供が何人も来ると思うけどママを選んで欲しいの。」

分岐した平行世界が消える？この世界線から色々分岐するはまだわかるけど、選ばなかった他の世界線が全部消えるとかあるのか？というかママと結婚してって言ってるけどその「ママ」は一体誰なんだ？
「パパー！」

少女の俄には信じ難い話を聞き混乱していると遠くからまた自分を「パパ」と呼び、目の前の少女に似つつもどこか違う特徴を持つ少女が走ってくる。

「うわっ！もう来た！じゃあパパさっき言ったことお願いね！」

そういい目の前の少女は走り去る

「ちょっと待って！ママって…君のママって一体誰なんだ！」



それから自分を「パパ」と呼ぶ子供達に「ママを選んで」とお願いされる日々を送ることになる穹