ご相談ありがとうございます。投稿者様の真摯な姿勢とその迷いに至るまでの思考の過程が伝わってきました。
まず第一に、著作権や他者への配慮を前提とした二次創作のあり方は、なんら後ろめたいものではなく、むしろ誠実で正当な行動です。ご自身のやり方に対して過度に不安を抱く必要はありません。

投稿者様の配慮は「誠実な創作者のモデルケース」です。
・鍵アカウントでの運用
・CP名や非公式名称の分離管理
・pixivでのマイピク設定などによるゾーニング
・公式タグの不使用
・著作権への理解と慎重な運用

これらは「二次創作は黒だからこそ最大限の配慮が必要」という立場に立った非常に丁寧で筋の通った姿勢です。
「BLや夢だけが隠れるのはおかしい」「BLや夢を隠せと言うのは差別だ」といった声があっても、それらは配慮の重要性を見落とした意見であり、投稿者様のような姿勢は現代においても依然として模範的です。
SNS上では「隠せと言うのは差別だ」「オープンにしてもなんら問題ない」とする声が強く上がることがあります。しかし、これらにはいくつか重要な論理の混同があるのです。

1. 著作権と表現の自由は別の話
「表現の自由」を理由に、「二次創作を堂々とやってよい」とする主張は著作権という法的権利の存在を軽視しています。表現の自由は憲法上の権利ですが、それは他者の権利を侵害しない範囲で認められるものです。
つまり、著作権者の権利を侵すことは、たとえ創作でも許されません。BLや夢創作が違法であるという話ではありませんが、他人の著作物を無断で使用する以上、「自由にやる権利がある」という考え方は成り立たないのです。

2. 差別論の過度な一般化
「BLや夢だけが隠れるのは差別だ」との主張も見られますが、これは著作権やゾーニングの問題を性差別にすり替えてしまっています。
BLや夢に対する批判が全て差別とは限りません。むしろ、原作のイメージを損なわないようにするための配慮が求められる状況であれば、それは性別の問題ではなく社会的な責任の話です。

3. 公共空間におけるゾーニングの軽視
「非公式であることを明記すればOK」という意見もありますが、それはゾーニングの必要性を過小評価しています。公式CPであっても性的表現やセンシティブな内容を含む創作物には年齢や趣向に配慮した公開範囲の設定が求められます。また、センシティブでなくとも「非公式」であるならなおさら、配慮が求められます。
適切なゾーニングを怠ると無関係な人々を不快にさせたり、作品全体への批判を招くリスクもあります。投稿者様が行っているような分離管理や限定公開は、そのリスクを最小限に抑える行動であり社会的責任を果たしていると言えます。

「隠れること」とは卑屈や恥、差別ではなく尊重の一形態です。
むしろ、「見せ方」や「届け方」に配慮することが創作物への責任と愛情を表しています。公式タグを避けることも、「公式関係者や一般のファンに迷惑をかけたくない」という意思の表れであり正当な配慮です。
SNS上では「声の大きさ」が正義になってしまうことがあります。しかし、その中で悩み、迷いながらも、他者への配慮を優先し、自らを律しながら創作を続けるという姿勢は誰にでもできることではありません。
投稿者様のような態度は、「静かで誠実な正しさ」であり、社会的にも倫理的にも胸を張ってよいものです。
どうか今のやり方に誇りを持って、これからも創作活動を続けてください。