お題
初めまして、FGO10周年を機に型月作品を履修しはじめた者です。世界観や用語が右も左もわからないのでフォローさせていただきました。
マジの素人質問で恥ずかしいのですが、ホムンクルスとオートマタと人形(橙子さんやランガルのやつ)の違いを教えていただけるとうれしいです。
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銀月マダオ
@silver_moon_M
おお、FGO10周年効果で他の型月作品にも興味を持っていただけて嬉しいです。自分でよければじゃんじゃん質問してください。
では回答いたしますが、まずは要約から

・ホムンクルス:魔術回路を基礎にした人造生命。一応精霊に分類される。仮初ながら魂を持つため、自己進化や環境変革が可能な「生命」としての条件を満たす。
・自動人形(オートマタ):魂を持たず、魔術で肉体機能を再現しただけの空の器。創造主のプログラミングに従い行動し、時に転移魔術の対象として利用されることもある。
・両者の違い:ホムンクルスは仮初ながら魂を持つ生命。自動人形は魂を持たない空っぽの器(肉体などの器を生命たらしめる根源が魂なので)
・橙子人形:例外。意識や魂を移していないにも関わらず、一定条件で「蒼崎橙子」として活動を開始する特殊な存在。

以下が詳細解説です。

ホムンクルス、オートマタ(自動人形)、人形は作り方と用途が違います。特にホムンクルスと残りの二つの差が顕著ですね。
ホムンクルスは魔術回路と呼ばれる疑似神経を基礎にして鋳造される人造生命です。存在規模や純度こそ純正のそれに劣りますが、大きい区分として精霊(虞美人の同類)に位置づけられています。ですが所詮は人造品。どこまで精密な完成品でもその魂は仮初のものに過ぎません(逆に言えば、仮初とはいえ魂を持つからこそ生命としての条件を満たしているといえる)
一方で自動人形等は人間の肉体機能を魔術的に再現しただけの器に過ぎません。どれだけ精巧な器でもそこに魂は存在しません。せいぜい創造主がプログラミングした機能にしたがって行動するだけの使い魔です。ただし、空っぽの器というのはそれだけで意味があります。
魔術には自分の意識の出力先を他の生命や物体に切り替える「転移」という術式があります。この転移の対象となる生命は原則として魂を持たないモノ、例えば自動人形などが好まれます。何故なら、魂を持つ生命に意識を転移しても意味が薄いからです。肉体の主導権は元々の魂の持ち主にあるため、意識を転移させても肉体の主導権は奪えない。せいぜい相手の頭の片隅で視覚を共有するぐらいが限界です(魂を持つ生命の肉体を奪う魔術もありますが、それは転生という別の魔術になります)。
仮初ながら魂を持ち、生命としての条件を満たすホムンクルス(この場合の生命とは自己進化を可能としつつ、時に周囲の環境を自分の意志で変革出来る揺らぎを持つモノを指す」。魂を持たないがだからこそ魔術師が一時的に活動するための器として利用できる自動人形。これが型月作品における両者の違いと特徴といえるでしょう。……えっ、じゃあ橙子さんの人形はなにかと? あれは例外です。空っぽの器に意識や魂を移している訳ではない。何も入力されてない人形が一定の条件を満たすと「蒼崎橙子」として活動し始める。それがあの人形なのです。

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銀月マダオ
ID:silver_moon_M

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